遮音性能の(防音性能)の高い賃貸住宅を探したいのですが、どこに注意したらいいの?

部屋探しの際、その物件の遮音性がどうかは大変気になる点です。音の問題で近隣と深刻なトラブルになる場合もあります。物件探しの際、遮音性の高い物件選びのポイント、注意点について紹介します。

目次

音に関する基礎知識

① 音の伝わり方

音には空気中を伝わって耳に届く「空気音」と、足音や物の落下音が床や壁を伝わって聞こえる「固体音」があります。

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空気音  ジェット機の音、自動車の音、楽器の音など

固体音  上階の足音、スピーカーの振動音、電車や自動車の振動音、トイレの排水音

② 遮音性能

音源からの音が空気中を伝わっていく場合、音源と音を聞いている場所の間に壁などの遮蔽物があると音が小さくなります。このように音の伝わりを遮断することを「遮音」といいます。そして、住宅の各部位が空気音を遮断する能力「遮音性能」といいます。

③ 衝撃音性能

固体音をを遮断する能力「衝撃音性能」といいます。

衝撃音には、(1)子供が飛び跳ねたり、走り回ったりした時に発生する重量衝撃音と、(2)物が落下した時や、椅子を引きずった時に発生する軽量衝撃音があります。

 賃貸住宅で遮音性能が要求される場所と構造との関係

床・壁

大ざっぱに言うと、空気音、固体音(衝撃音)の遮音性は遮蔽物の密度が高いほど、また、厚みが厚いほど遮音性は高くなります。そのため木造や軽量鉄骨造よりRC造(鉄筋コンクリート造)SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)のほうが遮音性能が高くなります。しかし、RC造、SRC造でも物件によりコンクリートの厚さに違いがあるので一概には言えません。

窓、ガラスはその仕様により遮音性能が異なります。低い順にあげると次のようになります。

① 単板ガラス    普通の一枚ガラス。遮音性はあまり期待できない。

② ペアガラス    2枚のガラスの間に空気層を設け遮音性を高めたガラス。

③ 防音合わせガラス 2枚のガラスの間に膜を挟むことで遮音性を高めたガラス。

④ 二重サッシ    既存の窓の内側にもう一つ窓を設置。遮音性と同時に断熱性も高まります。

沼田では①か②が殆どですが、現地見学の際は窓ガラスが単板ガラスかペアガラス確認しましょう。

その他

構造の違いだけでなく、床や天井の仕様により遮音性能は変わります。

① 軽量鉄骨造

2階床にALC(軽量気泡コンクリート)が敷いてあるか。敷いてあれば遮音性は高い。

② 間取り

隣りの部屋の間取りはどうか、直接接する部分はどこか。玄関、風呂等だけが直接接し、居間等の部屋どうしは離れている間取りの場合隣の音はあまり聞こえない。

③ 排水管

排水管の周りに防音シートが巻いてあるか。見えないので不動産会社の担当者に確認する。

内見時に確認したい防音性チェックポイント

内見の時は、自分の耳で次のことを確認をしましょう。

① 建物の構造を確認する。

防音性能は 木造<軽量鉄骨造<RC造<SRC造

② 隣の部屋と隣接する壁をノックしてみましょう。

音が部屋の中に響いたら壁が音を跳ね返しているため、防音性が高いことになります。                  一方、音が響かず抜けている感覚がある場合は、隣の部屋や上下階に音が行き渡って防音性が低いと判断できます。

③ 外からの騒音は、窓を開けた状態と締め切った状態で音の聞こえ方を比べる

④ 隣接する部屋の間取りを確認する。

部屋同士が隣接していると音が伝わりやすい。

自分で出来る防音性を高める工夫

防音性能の高い賃貸物件に住みたいと思っても、希望どおりの物件に住めるとは限りません。自分で出来る次のような防音性を高める工夫をしましょう。

① 床に防音マットやカーペットを敷く。

主に階下に衝撃音が伝わるのを防ぐのに効果があります。また、フローリングのキズ防止にも効果があります。

② 厚めの防音カーテンを付ける。

厚めの防音カーテンは外からの騒音を遮るだけでなく、自分の部屋からの音漏れにも効果があります。また、断熱性も高めることが出来ます。

5.まとめ

➀ 音の問題は、構造による一般的な違いは言えますが、床、壁の中の仕様、間取りにより違いがあります。

② また、同じ音でも人によって感じ方が違います。

③ 人間関係によっても感じ方が変わってきます。近隣との人間関係を良好に保つことも防音対策を考えるうえで大切になってくると思います。

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