賃貸オーナー必見!沼田市の賃貸市場は今どうなっているの?
今後の賃貸経営をどうしていけばよいのか考える際、沼田市の賃貸市場が現在どうなっているのか、現状把握することが大切です。総務省が5年毎に発表する「住宅・土地統計調査」等から沼田市の賃貸市場の現状について見ていきます。
沼田市の貸家空室率
1.平成30年住宅・土地統計調査(総務省)から沼田市の貸家の空室率を計算すると27.4%です。
2.群馬県全体の貸家の空室率は26.6%です。
3.貸家の空室率が低い都道府県は沖縄で11%、高いのは山梨県で30%です。山梨県が高い要因としては過疎化であったり、セカンドハウスが多いことがあげられます。全国的にみると沼田市は空室率が高いほうになります。
沼田市の人口・世帯数の推移
1.沼田市の人口は、平成17年の市町村合併時5.5万人だったものが、毎年減り続け平成31年には47,777人に減少しています。
2.沼田市の世帯数は、毎年少しづつ増えて平成31年には20,610世帯に増えています。しかし、伸び率は下がってきています。
3.沼田市の1世帯あたりの世帯人数は、当然、年々少なくなり平成31年には2.32人に減少しています。
沼田市の借家数の推移
沼田市の借家の増減(H20~H30)
居住あり(民営借家) +72
居住あり(公営借家) -245
居住あり 計 -173
居住なし +340
借家の総数 +167
持家居住 +500
1.「居住あり」は民営借家で僅か増加しています。 古い公営借家を借りる人が減少し、民営借家に移っている。全体では173世帯減少しています(借家需要が減少している)。
2.「居住なし」(空室貸家)は340世帯増加しています。
3.借家の総数は167世帯増加しています。
4.その結果、空室率は上昇(27.4%)しています。
5.持家も増加しています。
沼田市の貸家・持家新設戸数の推移
沼田市の新設住宅戸数の推移(H20~H30)
持家 +1,468
貸家 + 768
給与住宅 + 16
分譲住宅 + 33
新設の総数 +2,285
1.「持家居住」の増加(+500)以上、「新築持家」(+1,468)が供給されている。
2.「借家の総数」の増加(+167)以上、「新築貸家」(+768)が供給されている。
3.「給与住宅」、「分譲住宅」の新規供給は僅かである。
沼田市の貸家・持家新設戸数と世帯増減
1.沼田市の賃貸市場から退場(減少)する古い貸家以上の新しい貸家が供給され、貸家の総数は増えている。
2.借家の需要は減少している(-173)。
3.結果、空室率は上昇している。
沼田市の居住借家の築年別構成
1.築年数別構成比
築30年以上の古い物件 46.1%
築10~30年の物件 43.7%
築10年未満の物件 10.2%
1.昭和46年~平成7年頃、民営借家が多く建築され、築30年以上の古い物件が46.1%を占めています。
2.その後は、民営借家、公営借家ともに着工数はそれ以前より減少し、特に公営借家は減少が著しい。
3.築10年以内の比較的新しい物件は10.2%です。
沼田市の民営借家居住者の世帯所得の推移
1.沼田市の民営借家の世帯年収と推移(H25~H30)
300万円未満 45.7% (+1.6%)
300~500万円 34.4% (-2.2%)
500~1,000万円 19.9% (+0.6%)
・沼田市の民営借家に住む入居者の世帯年収が、平成30年の調査で300万円未満の低所得世帯が45.7%を占めていま す。平成25年の調査に比べると 1.6%増えています。
・300~500万円の一般所得世帯は34.4%を占め、平成25年の調査に比べると 2.2%減っています。
・500~1,000万円の中高所得世帯は19.9%を占め、平成25年の調査に比べると0.6%増えています。
・全体的には、入居者の世帯年収は下がっています。
まとめ
沼田市の貸家の空室率は他の地域に比べ高くなっています。
その要因として
① 借家の世帯数は増加していて、その増加(+167)以上の新築の借家が毎年賃貸市場に供給されています(+768)。
② 一方、借家の需要は減少しています(借家居住あり-173)。
③ また、沼田市の賃貸市場の46.1%が築30年以上の古い物件が占めています。そして、古い物件の中には今の入居者ニーズに合っていない物件が多数あります。それに対して、築10年以内の比較的新しい物件は10.2%しかありません。
④ 入居者の世帯年収は下がっています。
以上の要因から空室率が高くなっています。
古い物件でも入居者ニーズにあった物件にキチッとリノベーションし、入居者の年収が下がっているので適正な家賃設定をすれば、入居者を確保出来ると思います。