賃貸アパート入居申し込みの際、申込金を要求された場合どこに注意すればいいの?
入居申し込みをする際、「申込金」を不動産会社から要求される場合があります。基本的には支払う義務はありませんが、申し込みの優先順位を確保するため要求される場合があります。そのお金の性格と注意点について説明します。
申込金と手付金の違い
(1) 申込金とは
「申込金」(正確には申込証拠金)とは「他に申し込みがあった場合に優先的に入居審査をしてもらう」目的で、不動産会社に契約締結前に支払うお金です。その金額は不動産会社によって異なりますが、家賃の1ケ月以内である場合が多いようです。また、申込金を支払っても必ず契約できる訳ではありません。(入居審査に不合格の場合は、契約出来ません)
「申込金」は不動産会社に一時的に預けるお金で、申し込みを撤回(キャンセル)した場合、返還されるべきお金です。申し込みを撤回(キャンセル)しても申込金が返還されないトラブルがありますが、不動産会社が「申込金」等の預り金の返還を拒否することは宅地建物取引業法 (宅地建物取引業法施行規則-第16条の12第2号)で禁止されています。
東京都等の自治体では不動産会社に申込金を要求しないよう指導しています。
(株)丸井不動産では入居申し込みの際、申込金は預かりません。その代わり、入居審査合格後、出来るだけ早く(原則3営業日以内の)契約締結をお願いしています。
(2) 手付金とは
それに対して、「手付金」は売買契約締結の際、買主から売主に対して交付される金銭で売買代金の5~10%位の場合が多いようです。「手付金」について当事者間で明確な取り決めがない場合は、相手方に債務不履行がなくても相手方が履行に着手するまでならば契約を解除できる(解除権留保の手段としての)「解約手付」になります。
相手方が履行に着手する前であれば、解約手付を交付した者は手付金を放棄し、解約手付金を受領した者は手付金の倍額を支払うことにより契約を解除(解約)することが出来ます。また、支払った「手付金」は売買物件引き渡し時には売買代金の一部に充当されます。
申込金を払う時の注意点
申込金を不動産会社に預ける場合は、あくまで一時的に預けるだけの金銭であることを確認し、領収書ではなく必ず「預かり証」を受け取りましょう。「預かり証」には次の内容が記載されているか確認しましょう。
1.預けた日付
2.返還の期日(いつまで預けるのか)
3.預り金の目的(どのような目的で預けるのか)
4.返還期日に必ず返還される旨
5.不動産会社と担当者の記名、押印
名称は違っても意味合いは同じ
申込金でなく「手付金」、「内金」、「予約金」などの名目で金銭の支払いを要求する不動産会社がありますが、契約締結前に「申し込み順位の確保」の目的で預けたお金は、名目のを問わず「預り金」とみなされます。不動産会社から「手付金だから返せない」という説明で返還を拒否されトラブルになった場合は、不動産業者が加盟する業界団体または自治体の窓口に相談しましょう。 そもそも、「手付金」とは売買契約締結時に一般的には買主から売主に対して交付され、相手方に債務不履行がなくても、相手方が履行に着手するまでは手付金を放棄して(受領したものは受領した手付金の倍額を支払って)契約を解除できる性格のお金です。
「全国宅地建物取引業協会連合会」TEL 03-5821-8113
仲介業務にかかる費用に充てられない
入居申し込みを撤回(キャンセル)した場合でも、不動産会社が仲介業務にかかった経費として申込金を充当することは出来ません。不動産会社は賃貸借の仲介業務について契約が成立しなければ仲介手数料を受け取ることは出来ません。また、現地案内等の通常業務にかかわる費用を請求することも出来ません。
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