既存の減価償却資産(賃貸アパート等)に資本的支出をした場合の償却方法を教えてください

賃貸アパート等既存の減価償却資産に資本的支出(固定資産の使用可能期間を延長または価額を増加させる部分に対応する支出の金額)を行った場合、その資本的支出は「減価償却」の方法により各年分の必要経費に算入することになりまます。

資本的支出を行った場合、減価償却は以下のとおり行います。

目次

平成19年3月31日以前に資本的支出をした場合

資本的支出の金額をその減価償却資産の取得価額に加算し、その減価償却資産の種類、耐用年数及び償却方法に基づき、加算した資本的支出部分も含めた減価償却資産全体の償却を行います。

建物構造別法定耐用年数

・木造(住宅用)       22年

・軽量鉄骨造(厚さ3~4mm)    27年

・鉄骨鉄筋コンクリート、鉄筋コンクリート造(住宅用)       47年

・重量鉄骨造、鉄骨造    34年

参照情報

国税庁 耐用年数(建物/建物附属設備)

平成19年4月1日以後に資本的支出をした場合

(原則)

(1) 資本的支出の金額を固有の取得価額として、資本的支出の対象資産である既存減価償却資産本体(旧減価償却資産)と種類及び耐用年数を同じくする新たな減価償却資産(追加償却資産)を取得したものとして、その種類と耐用年数に応じて償却を行います。

(2) 旧減価償却資産については、この資本的支出を行った後においても、現に採用されている償却方法による償却を継続して行います。

(特例)

(1) 平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産に資本的支出をした場合

その資本的支出を行った旧減価償却資産の取得価額に、その資本的支出の金額を加算して償却する方法も認められています。この場合、旧減価償却資産の種類、耐用年数及び償却方法に基づいて、加算した資本的支出した価額も償却します。

(2) 定率法を採用している減価償却資産に資本的支出をした場合

資本的支出を行った翌年1月1日に旧減価償却資産の期首未償却残高追加償却資産の期首未償却残高合計額を取得価額とする新たな減価償却資産を取得したものとして償却することができます。

(注)  平成23年12月の償却率の改正により、平成24年4月1日以後に取得したものとされる減価償却資産については200%定率法、平成24年3月31日以前に取得した減価償却資産は250%定率法を適用することになります。           このように、異なる償却率が適用されることから、平成24年3月31日以前に取得した減価償却資産(以下「旧減価償却資産」)に平成24年4月1日以後に資本的支出を行った場合には、旧減価償却資産とその資本的支出を合算して一つの減価償却資産を新たに取得したものとする特例の適用はありません。

(3) 定率法を採用し、同一年中に複数回の資本的支出をした場合

上記(2)の適用を受けない場合、追加償却資産のうち、翌年1月1日において、種類、及び耐用年数が同じくするものの期首未償却残高の合計額を取得価額とする新たな減価償却資産を取得したものとして償却することができます。

参照情報

国税庁「資本的支出を行った場合の減価償却

関連情報

国税庁主な減価償却資産の耐用年数表

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